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「高齢者の入院順序を下げる」は不適切発言?いやいや、トリアージだよ

こんな記事が放送された。

大阪府の医師資格を持つ幹部が新型コロナウイルスの感染拡大で病床がひっ迫し入院調整が厳しくなっているとして、府内の保健所にあてて高齢の患者については「入院の優先順位を下げざるをえない」とするメールを送っていたことが分かりました。大阪府は府の方針とは全く異なるとして、29日、各保健所に内容を撤回する連絡を行い、謝罪しました。

 

 

不適切発言だ、と批判がでたが、これの何が不適切かというと、入院順序を決める基準が不適切ということだ。
若者は重症化しにくいので、軽症の場合は自宅で頑張ってもらう。一方、高齢者は重症化しやすいので、中等症だと優先して入院してもらう。

ところで、重症化してICU入室や人工呼吸器適応などは、もちろん老人ではなく若い人を優先させるべきである。
これは命の選別ではなく、医学的に必要な選択だ。

大阪府は、医療崩壊を通り越して、オーバーフローしている状態なので、社会的影響から重傷者の治療の優先順序を決める必要がある。

 

例えば、妊婦さんが出産時に危険な状態になったとする。では母体と赤ちゃんのどちらの命を優先するかというと、もちろん母体の命を救うことが優先される。

同じことで、重症患者の治療の場合、高齢者より若年者の治療が優先される。
例えば、どこにも搬送されない(できない)状態で、入院患者二人が一度に人口呼吸器に載せる必要があり、院内には一台しか人工呼吸器が無いとする。

では、かわいそうだからお年寄りを優先する?
いや違う。もちろん若い人を優先する。

 

病床のひっ迫で入院順序の優先を決める場合、高齢者か若年者のどちらを優先させるべきかは、重症度と年齢で細かく基準を作っておく必要があるが、人情が理論を大きく重要視される日本では、この議論がタブー視されてきた。

 

話がそれたが、高齢者の入院順序を下げる発言を問題視するのではなく、入院順序は果たして年齢の若い人順か、それとも高い順か、どちらが正しいかを議論する必要がある。

 

ずばずばモノを言う玉川徹氏でさえ、この問題を
「不適切発言」
と(表面上は)評してしまったが、
「不適切な判断」
と評すべきだ。いや、このトリアージが不適切かどうかを議論すべきだ。

 

  • 軽症者の入院(ホテル収容)は高齢者優先
  • 中等症は持病などを考慮
  • 重傷者は若年者の入院を優先

が一番妥当では?
そうだ、いや違う、という議論をすべきだ。

 

 

 

 

大阪府幹部「高齢者の入院 優先順位下げざるをえず」府は撤回

大阪府の医師資格を持つ幹部が新型コロナウイルスの感染拡大で病床がひっ迫し入院調整が厳しくなっているとして、府内の保健所にあてて高齢の患者については「入院の優先順位を下げざるをえない」とするメールを送っていたことが分かりました。大阪府は府の方針とは全く異なるとして、29日、各保健所に内容を撤回する連絡を行い、謝罪しました。

 

大阪府によりますと、健康医療部の次長級の幹部で医師の森脇俊医療監が4月19日、府内に18あるすべての保健所の所長にあてて、新型コロナの感染拡大で病床がひっ迫し、以前にも増して入院調整が厳しくなっているとして「当面の方針として、少ない病床を有効に利用するためにも年齢が高い方につきましては、入院の優先順位を下げざるをえない」とするメールを送りました。

また、高齢者施設の入所者で、心停止などの場合に蘇生措置を行わないよう希望している人については「みとりも含めて、対応をご検討いただきたい」と記入していました。

 

府は医療監が送ったメールの内容は、府の方針とは全く異なるとして、29日、各保健所に内容を撤回する連絡を行うとともに謝罪しました。

メールを送ったことについて医療監は30日午前、記者団に対し「施設の対応能力を上げてほしいという思いで書いてしまった。誤解を招いたことを深く反省している」と釈明しました。

大阪府健康医療部の藤井睦子部長は「立場のある幹部が、府の方針でもないメールを送ったことは大変申し訳なく、本人にも注意した。高齢の患者の入院の受け入れに影響はなかった」と陳謝しました。