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こぶとり爺さん

こぶとり爺さんの病名。鑑別診断と診断の根拠

 

小太り爺さん、いやいや、こぶとりじいさんのお話をご存知だろうか。
このこぶとり爺さんの(私の個人的)医学的知見をご紹介します。
この超有名な御伽噺を万が一知らない人は、どこかのサイトで調べて読んでください。一応載せておきます。

出典元:WikiPedia

典型例
あるところに、頬に大きな瘤(こぶ)のある隣どうしの二人の翁がいた。片方は正直で温厚、もう片方は瘤をからかった子供を殴るなど乱暴で意地悪であった。
ある日の晩、正直な翁が夜更けに鬼の宴会に出くわし、踊りを披露すると鬼は大変に感心して酒とご馳走をすすめ、翌晩も来て踊るように命じ、明日来れば返してやると翁の大きな瘤を「すぽん」と傷も残さず取ってしまった。
それを聞いた隣の意地悪な翁が、それなら自分の瘤も取ってもらおうと夜更けにその場所に出かけると、同じように鬼が宴会している。隣の翁は出鱈目で下手な踊りを披露したので鬼は怒ってしまい、「ええい、下手くそ!こんな瘤は返してやる。もう二度と来るな」と言って昨日の翁から取り上げた瘤を意地悪な翁のあいた頬にくっつけると「今日の宴会はもうやめだ」と興ざめして去ってしまった。
それから正直な翁は瘤がなくなって清々したが、意地悪な翁は瘤が二つになり難儀した。

引用元:WikiPedia

さて、このコブのあるおじいさんが主人公ですが、このおじいさんのコブは何でしょう。

昔話しなので、おじいさんと言っても、40代後半の可能性もありますが、中高年でしょう。話の流れからは、急に出来たイボではなく、ある程度は病悩期間が長い可能性が高く、そうなると、良性の可能性のほうが高いです。
悪性も含めて考えると

①脂肪種
②Sarcoma
③側頸嚢胞
悪性リンパ腫
⑤耳下腺腫(顎下型ガマ腫)

ちょっとうがった見方をすると、甲状腺癌や食道癌、錠咽頭癌などのリンパ節転移でリンパ節転移がかなり進行した場合も考えられないことはないが、少ないだろう。

可能性としては、①と③、頻度としては①だろう。

以上より、問診からは、こぶとり爺さんの診断は、脂肪腫です。

ということで、次の段階として実際の診察で、視診触診エコー検査です。
脂肪腫はABCでの診断は付きにくいので、MRIで周囲組織との関係を見たうえで、診断的治療として切除でしょう。